2020.12.07

萩野公介が追い求める強さ。リオ五輪金メダル獲得後に語った本心

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 夜10時過ぎから始まった決勝。萩野の泳ぎは、自信に満ちあふれたものだった。バタフライで先手を取ろうとする瀬戸が予選よりやや遅い55秒23で入ったが、萩野は55秒57で余裕を持って射程圏内にとらえ、背泳ぎでトップに立って1秒46差をつけた。その次の平泳ぎは瀬戸とカリシュが勝負を仕掛ける泳法だが、瀬戸に0秒36詰められただけ。猛追してきたカリシュには2秒83差を0秒74差とされたが、最後の自由形を考えれば、その時点で萩野の優勝は確実と言えた。

「残り50mでチェイス選手が迫ってきたのですごく怖かったけれど、自分ができるのはキックを打って勝ち切ることだけでした。スタミナは残っていました。平泳ぎは下手くそだけど最後の自由形につなげられればいいかなと思って」

 萩野は最後の自由形を58秒09でカバーし、宣言どおりに4分6秒05のアジア新記録で優勝。カリシュには0秒70差をつけていた。

 銅メダルとなった瀬戸は決勝のレースについてこう話した。

「公介とチェイスはしっかり実力を出し切って大幅な自己新を出したのが、金メダルと銀メダルにつながりました。一方、自分は予選より遅い4分9秒71で本当にヤバい記録。予選はすごくいい感じだったけれど、昼寝から起きたら意外と疲労感があったので、まだ駄目だなと思って。もっともっと練習が必要だと痛感しました」

 反省も口にしたが、日本競泳60年ぶりのダブル表彰台を実現した。