「やっちゃった」。鈴木聡美が自分でも驚いた日本競泳女子初の偉業 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

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 ロンドン五輪を前にした日本勢の戦力は、100mでは4月の日本選手権で1分06秒80の好タイムを出した鈴木が、大会前の世界ランキングで4位。200mでは、同じく鈴木が日本選手権を2分22秒99で制してランキング2位、2分23秒56の渡部香生子が4位と上位に位置していた。とはいえ、前年の世界選手権の結果などから、彼女たちはそれほど期待はされていなかった。

 そしてロンドン五輪が開幕し、競技2日目から始まった100m平泳ぎ。準決勝で1分05秒21のヨーロッパ記録を出すこととなった当時15歳のルタ・メイルティテ(リトアニア)と、北京五輪から活躍していた女王レベッカ・ソニ(アメリカ)が、ともに予選から1分5秒台の好タイムをマーク。一方で、鈴木は予選を1分07秒08の6位通過、準決勝は1分07秒10で7位。メダル争いから脱落したかに見えた。

 だが、決勝は一番端の1レーンだったことと、スタート合図の不具合によりスタート時間がやや遅れたことが、鈴木にとって幸いした。

「入場する時は『とりあえず笑え』と自分に言い聞かせていたので、顔は笑顔でしたが、脈拍を計ってみたらすごく速かったので『どうしよう!』というのが内心でした。そこで、あのアクシデントがあり緊張がほぐれました。初めての五輪で準決勝、決勝と進めてうれしかったですが、決勝は端のレーンだったし表彰台に上がれるとは正直思っていませんでした。だから気負わず、自分の泳ぎに集中できていました」

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