イケメンスイマーの中身は超骨太。中村克「東京で歴史を変えてやる」 (6ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO


「今から追い込んでも、ガス欠してしまいますから。気持ちが乗らなければ、トレーニングの量を少なくします。映画とか料理とか、ゲームとか、違う生活パターンも新鮮ですね。外に出られないのはもどかしいですが、決してマイナスな面ばかりではない。与えられた環境でうまく過ごせていると思います」

 1年後への逆算も、すでに頭の中に描かれているという。

「しっかりプランはできています。五輪本番までそんなに時間があるわけではないですけど、焦らずやっていきたい」

 では、その舞台でメダルを獲るためには、何が必要なのだろうか。

 中村自身は世界に伍する力を培ってきた。しかし、日本人にとって短距離自由形は、競泳で最もメダルのハードルが高い種目である。体格、瞬発力、筋力とあらゆる要素が欧米勢と比べて劣るなか、日本人がこの種目で勝負するのは難しいという声も小さくない。

 しかし、中村はそうした考えも意に介さない。なぜなら、この競技で日本人が勝てなかった原因は、体格的な問題だけではないと理解しているからだ。

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