2020.05.31

来夏の五輪開催があれば、あの競技は
「チケットなし」で見られるか?

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 門脇 そら●撮影 photo by Kadowaki Sora


 それでは、A席、B席に勝るとも劣らないようなフリー観戦スポットは、どこにあるのか?

 その候補が、1853年、アメリカのペリー提督が浦賀にやって来て日本に開国を迫った黒船来航の直後、幕府が江戸を守るための拠点として、江戸湾(東京湾)の出入り口に建設した"品川台場"(砲台を据えた要塞)になる。

 なかでもA席があるメインの海岸の対面にあり、B席がある砂浜脇を通り過ぎたその先、現在は都立台場公園として自由に出入りできる「第三台場」こそが、まさにマラソンスイミングのフリー観戦スポットの有力候補になるのだ。

ここが第三台場(都立台場公園)ここが第三台場(都立台場公園)
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 実際に第三台場に行ってみた。

 すると、そこには海上の視界をさえぎるものはなく、マラソンスイミングの競技会場を一望できることが明らかになった。

 もちろん、ここからだとスタートする選手やゴールする選手たちを肉眼で確認するには少々距離がある。だが、オリンピック本番では、テストイベントと同様、第三台場のそばを通過する1周1.66キロメートルの周回コースが設定される予定で、ここからは間違いなくレース中にコースの中盤を泳ぐ選手たちを目の前で観戦できるはず。

「マラソンスイミングは、陸上のマラソンと比べると競技のイメージが湧きにくいかもしれません。でも、身近で観てもらうと、トップ選手たちは速いんだなって実感してもらえると思います。間近で応援してもらえれば、日本人選手にもアドバンデージが出てくるだろうし、けっこう面白い競技だって感じてもらえると思うんですよね」

 東京オリンピックが、多くの人たちにマラソンスイミングという競技の醍醐味を味わってもらうチャンスになると強調する原氏。