2020.05.29

瀬戸大也が初五輪で知った金の重み
「大舞台で力を出し切った人が獲るもの」

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Insidefoto/AFLO

 最初のバタフライで先頭に立ったのは瀬戸だった。100m折り返しは、予選より0秒43遅い55秒23。予選では前半を飛ばしすぎたというイメージがあったからだ。しかし、次の背泳ぎで萩野にかわされて2位に落ちると、200m折り返しでは1秒46差をつけられた。そして、平泳ぎではカリシュにも抜かれる展開になった。

 最後の自由形で、萩野とカリシュがそれぞれ29秒台と、28秒台に上げてきたのに対し、予選の疲労が残っていた瀬戸は30秒台と盛り返すことができず、3位でゴールした。4分06秒05のアジア新を出した萩野と、4分06秒75の自己新で泳いだカリシュのふたりに大きく水をあけられ、4分09秒71での銅メダル獲得だった。

 初出場の五輪で獲得したメダルについて瀬戸は、「初めてなので素直に喜びたいと思います。世界選手権のメダルより重たいんだなと思いました」と笑顔を見せた。一方で、こうも語った。

「公介やチェイスが大ベストを出したように、やっぱり五輪の金メダルは簡単ではないし、この大舞台で全力を出し切った人こそが(金メダルを)獲るものだと思いました。自分もコンディションはすごくよかったんですが、自己ベストを出せなかったのは、まだ金を獲れる器ではなかったからだと思います。この悔しさは4年後の東京で返すしかないし、その時は絶対に世界記録更新を賭けた勝負をするつもりなので、それを目指して頑張りたいと思います」