2020.05.29

瀬戸大也が初五輪で知った金の重み
「大舞台で力を出し切った人が獲るもの」

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Insidefoto/AFLO

 一方、瀬戸もその世界選手権で、初出場ながら勝負強さを見せていた。

 大会最終日の400m個人メドレー決勝では、序盤から飛ばす萩野と競り合った。300m折り返しでは3位に1秒半の大差をつけており、ふたりの1位と2位は確実に見えた。しかし、350mを折り返してから、14本目のレースで疲労が出たのか萩野が大きく遅れ始めるという予想外の展開になった。対して瀬戸はペースを維持し、自身初の4分10秒突破となる4分08秒69で同種目日本人初の金メダルを獲得した。

 2015年の世界選手権は、萩野が大会直前に肘を骨折して欠場を決めたことで、瀬戸にプレッシャーがかかったのか、大会前のキックの練習中、踵に痛みが出るアクシデントもあった。そんな状況下で出場した最初の種目は、前年から記録を伸ばしてきた200mバタフライだった。しかし、結果は6位。続く200m個人メドレーも準決勝敗退と不本意な結果になった。

 だが、最終日の400m個人メドレーは平泳ぎで抜け出すと、自己ベストのタイムで大会連覇を達成して、リオデジャネイロ五輪代表内定を勝ち取った。