2020.03.25

飛込界の至宝は13歳。「玉井陸斗は次元が違う」と元五輪選手も絶賛

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 木鋪虎雄●写真 photo by Kishiku Torao、AFLO


「W杯を大きな糧にしてほしい」と中川さんは玉井に期待を寄せる
「日本飛込界にとって、玉井君の登場はかなり大きいと思います。彼を指導する馬淵崇英コーチの指導力によるところも大きいですが、本人の意識もかなり高い。13歳であのアスリート思考は、考えられません。尊敬してしまうくらいすごいものを持っています。

 持って生まれた才能もありますが、努力ができる才能もある。いい結果を出してもうぬぼれることなく、世界の壁はもっともっと厚いという意識でやっている。もてはやされてしまうと気持ち的に舞いあがる部分も出てきますが、それが全然ないのはほかの選手たちと比べると次元が違う感じです。

 身長はまだ147㎝と低いんですが、技術的にも身体能力的にも高く、ダイナミックな演技ができています。プラットホームから跳びあがる高さ、回転力の速さがあって見栄えがします。

 これまでの審判の評価の傾向は、入水時の水切れがすごく重要視されていましたが、全体のレベルが上がったために、それだけでは点数差がつかなくなってきました。つまり、水切れだけではダメで、本当にトータルで能力のある選手が残っていく。空中の演技や姿勢もしっかり見られるようになっていて、そこがいい選手はこれから強くなっていくと思います。

 その点、玉井君は優れた資質を持った選手です。たとえば、中国選手の強さの秘けつは、ナショナルチームでしっかり鍛える練習量の豊富さだと言われていますが、玉井君の場合はそれを自主的にできていると思いますし、あそこまで難易度を上げられるのは本当に才能がないとできないことです。