萩野公介がモヤモヤを解消し復活。今後について「わくわく感がある」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 二宮渉●写真 photo by Ninomiya Wataru

 今年2月16日のコナミオープン400m個人メドレーを棄権したあと、約3カ月間の休養に入り、水泳から離れていた萩野公介(ブリヂストン)。6月に復帰会見を開き、ついに8月3日のワールドカップ東京大会200m個人メドレーにて、約5カ月半ぶりに競技復帰を果たした。

約5カ月半ぶりの試合に、笑顔で臨んだ萩野公介約5カ月半ぶりの試合に、笑顔で臨んだ萩野公介「声をかけてくれるのは日本人だけかなと思っていたけれど、今回はワールドカップなので海外の強い選手も含めて、いろんな選手から『お帰り』と言ってもらえたのが素直にうれしかった」

 この大会に向けて特別な調整練習は行なっていないものの、まず目標にしたのは、日本代表として国際大会に出場するために必要なインターナショナル標準記録C(1分59秒23)を突破することだった。

 予選第2組では2分01秒52で1位になり、全体6番目の記録で決勝に進出した。

「タイムはもう少し早いかなと思いました。まだ余力はあったのですが、久しぶりのレースなので飛び込みから浮き上がりで空蹴りをしたり、最初のバタフライのストローク数も多い感じになって微妙なところはあった。そこはたぶん、レースを重ねていけば大丈夫だと思います」

 午後の決勝では調整を試み、最初のバタフライは予選よりストローク数をひとつ減らした18ストロークで泳ぎ、予選より速いタイムで折り返した。しかし、ターン後のバサロキックで少し失敗したという背泳ぎは、「少し抑えたというより、テンポを上げてもしょうがないと思ったので、しっかり掻くことを意識した」と、予選より0秒36遅い30秒26のラップになった。

 続く平泳ぎではラップを上げて、ラストの自由形も全体3番目のラップタイムとなる28秒83で泳ぐと、2分00秒03の3位でゴールを果たした。2位のトーマス・フレイザー・ホームズ(オーストラリア)に対しては、自由形で0秒03差まで迫る僅差の勝負だった。

 目標にしていたインターナショナル標準記録Cには届かなかったが、レース後に萩野は笑顔で試合をこう振り返った。

「最後のフリーは死にかけましたが、そういえば平泳ぎも背泳ぎもバタフライも苦しかったな、みたいな感じで(思い出した)。やっぱり練習不足は否めないなと思いましたが、泳いでみて体に刺激が入ったというか...。少しずつですが、今までと違った刺激が入ったので、今日はプラスになるレースだったと思います。記録に関しても、予選であれくらいなら決勝はこのくらいだなという(予想)のが、ドンピシャでハマったようなタイムでした」

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