38歳、6度目の五輪出場へ。寺内健は飛び込みの原点に立ち戻る (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Yuya Nagase/PHOTO KISHIMOTO

 今回、五輪出場を内定させたことを、海外の選手も知っていて、とくに中国の選手からは「すごいな。あなたは、私のコーチと戦っていたのか」と、驚きを持って声をかけられたという。それを聞いて寺内は、「自分がここまでやり続けてきたことに意味があったかなと思った」と笑顔を見せる。

「自分が続ける姿でスポーツや飛び込みの魅力、努力は裏切らないということを伝えられたら。この1年間はそれを発信していきたい」

 今大会は寺内、坂井だけではなく、ともに18歳の荒井祭里(まつり/JSS宝塚)や三上紗也可(米子DC)も東京五輪代表内定を決めた。寺内の競技に対する向き合い方や、熱い思いが伝わりつつある証拠だろう。

 寺内はこの光州の地から、東京五輪へ向かう大きな一歩を踏み出した。

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