38歳、6度目の五輪出場へ。寺内健は飛び込みの原点に立ち戻る (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Yuya Nagase/PHOTO KISHIMOTO

 難易率の高い技を求める個人に比べ、シンクロは空中での体の動きや筋肉をセーブしながら基本に忠実な飛び込みを追求できる。長年この競技と向き合ってきた寺内が、この種目に取り組むことになったのも、必然なのかもしれない。38歳にして、原点に立ち戻っている。

「今回は、すごく地に足がついていたというか、今までにないほど落ち着いてできました。そういう試合ができたことは、自分が東京へ向けて進んでいこうとしているからだと思います。

 決勝もパーフェクトにやっていれば、たぶん4位になっていただろうし、3位との差もおそらく15点以内だったと思う。もっと試合を組み立てていかなければいけないし、打倒・中国も目指さなければいけないけど、まだこの環境で競技を続けていられることは本当に幸せだなと思います」

 だが、肩の状態は深刻だ。肩鎖関節の靭帯はボロボロで、今回もトレーナーに世話になりながら、痛み止めも通常量より多くしていたと言い、今後の対応についてはこう話す。

「治療をして根本的に治すか、騙し騙しやっていくかが難しいところですね。コーチやトレーナーと相談してやっていこうと思います」

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