号泣した日もあった青木玲緒樹。女子平泳ぎ日本代表のピンチを救った (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 二宮渉●写真 photo by Ninomiya Wataru

 そんな泳ぎの成果は、100mではもちろん、31日の50mでも出ていた。

 浮き上がりで頭ひとつ抜け出したあとも力みなく泳ぎ、自己記録を0秒20更新して鈴木聡美(ミキハウス)の持つ日本記録にあと0秒14まで迫る30秒78で優勝した。

 大会最終日6月2日の200mは、「陸上トレーニングも含めて全体的には100m向きの練習をしてきたので、どのくらいの記録で泳げるかわからない」と話していた不安が出てしまったのか、「前半からいこうと思ったけどいけなかった」と、派遣標準IIに2秒弱及ばない記録(2分25秒31)で2位と出場権は取れなかった。このレースで優勝した渡部香生子(JSS)も派遣標準に0秒32届かない結果でこの種目の内定者はゼロだった。

 女子平泳ぎの代表が青木ひとりとなったことで、世界選手権の200mにも出場する可能性が濃厚だ。今度は200mも視野に入れた練習もできるだけに、2種目で世界に通用する結果を出し、日本代表として女子平泳ぎの存在感を示すことが今後の青木の課題になった。

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