瀬戸大也が自己ベスト更新。要因は「ウエイトトレーニング減」にある (3ページ目)

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi
  • 田村翔/アフロスポーツ●写真 Photo by Sho Tamura/AFLO SPORT

 女子200mバタフライは、この種目のリオ五輪代表、長谷川涼香が派遣標準記録を突破する2分07秒44で2年ぶり2度目の優勝を果たした。

 昨年からキックの効いた泳ぎに改良し、スピード強化をして来ている。

 その強化してきたキックの200mレース中の使い方は、以前と同じように150mまでは足を溜めて、ラスト50mで足を使うというイメージで泳いでいるそうだ。

 その泳ぎ方自体は変わっていないが、自分で映像を確認すると、150mまでも以前と比べて自然と足が入っているという。

 私から見ても以前より足の位置が高くなり、その分上半身の重心が前に乗るようになり、フラットな姿勢を作れているし、150mまでの泳ぎでもタイミングよくキックが入ることでリズムも作りやすくなっている。

 200mバタフライ決勝では強化して来たスピードを活かし、前半100mは星奈津美の持つ日本記録を上回るペースで入った。流石に後半は疲れが見え、今大会200mバタフライに初参戦している大橋悠依に詰め寄られたが、この種目の第一人者の維持を見せ逃げ切った。

 このラスト疲れたところの粘りにも強化して来たキックが効いていた。

 キックが新たな武器として加わったことで、キックを使う使わないで、レースの中でスピードの上げ下げができるし、本人も「自分の中で足の使い方のレベルが上がった」と語ってくれた。

 私もそうだったが、100mよりも200mを得意とする選手は持久力を強化することよりも、スピードを強化する方が大変だ。

 長谷川は一つその壁をぶち破ったことで、今後このスピードを持続する持久力をつけていけば、世界選手権、オリンピックでのメダル獲得も見えてくる。

 5日目を終えて、個人で派遣標準記録を突破した選手は6人。

 決勝種目は残り14種目となった。

 残り2日間、選手たちの奮起が見られるはずだ。

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