松田丈志はリレー種目の健闘を評価。選手起用の裏に采配の妙があった (6ページ目)

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi
  • photo by Matsuda Takeshi

 今後200m自由形を強化していく為には、今まさに日本が世界から遅れをとっている長距離種目の強化が必須だと感じた。今回勝った中国の4選手のうち前半の3人は400m、800m、1500mを泳ぐ長距離選手だった。

 世界ではケイティー・レデッキー選手が良い例だ。彼女は長距離選手だが、豊富なスタミナを武器に200m自由形でも世界トップクラスで活躍している。今後自由形長距離を強化していくことによって、リレーの選手層の厚みが出ていくことだろう。

 今大会の中長距離の代表である、小堀倭加はパワーをつけていけば200m自由形のレベルも上がってくると思う、200m種目もこなせる中長距離選手の登場に期待したい。

 混合メドレーは勝てると思っていた種目だったが、僅かに届かなかった。直前に100m平泳ぎで金メダルを獲得していた小関也朱篤が、リレーでは疲れが見え個人種目よりもタイムを落としてしまう。この新種目の登場で、出場する選手の負担は増える訳だから、よりタフにレースをこなせるようになっていく必要性も上がった。

 残されたリレーはあと2つ。男女のメドレーリレーだ。

 パンパシの4日間にアジア大会の6日間を足して、10日間の大会と捉えたトビウオジャパン。その戦いもあと2日。疲労はすでにピークを迎えているだろう。選手たちの踏ん張りに期待したい。

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