世界記録も射程圏内。18歳・池江璃花子はまだまだ進化できる! (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真photo by Tsukida Jun

 進化を続ける池江にとって、この大会で「最近は厳しいかなと思うようになっていた」と言う自由形で結果が出たことも大きな収穫だった。

 大会初日の200m自由形は、予選7位通過ながらも、決勝では序盤から3位につけるとラスト50mで自由形中・長距離の女王、ケイティ・レデッキー(アメリカ)を逆転して銀メダルを獲得。1分54秒85は昨年の世界ランキング3位に相当するもので、この種目の世界記録保持者、フェデリカ・ペレグリニ(イタリア)の昨年の世界選手権優勝タイムに0秒10差まで迫る記録だ。

「決勝の前は、今年の2月に出した1分55秒04を破れないんじゃないかとみんなで話していました。それに、自由形は世界に出ると弱いんだなと思っていたし、決勝前は本当に緊張して、メダルはおろか、自己ベストも出ないんじゃないかなという考えが頭をよぎっていたんです。でも、それで逆にいい感じでリラックスできたというか。

 前半からついていかなければダメだろうと思っていましたが、すごく気持ちよくいけました。後半はしんどくなって隣のラック選手には離されているなという感じもありましたが、その向こうにレデッキー選手が見えたので、最後まで絶対に勝ちたいと思って泳げました。この種目のメダルは想像できていなかったけど、レデッキー選手に勝てたことはうれしいし、自分に力がついているとわかったので、すごくいいレースになりました」

 大舞台で自分の力を出しきって2個のメダルを獲得した結果と、そこから得た自信は、これからの成長に必ず役立つはずだ。

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