4年ぶりのメダル獲得。入江陵介はアメリカで大雑把な身体に成長した (4ページ目)

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi
  • photo by Kyodo News

 アメリカでのトレーニングも今やっと軌道に乗り始めたばかりだ。このパンパシ水泳に向けて帰国する前には、自ら志願して高地トレーニングも行ったという。アメリカという異国の地で、自らに必要なものを自分で取捨選択できるセルフマネジメント力もついてきて、実行するための環境づくりもできてきた。

 入江の復活は日本のメドレーリレーにとっても必要だ。私もロンドン五輪で一緒にメドレーリレーを組ませてもらったが、彼はとにかくリレーに強い。リレーでは、個人のレースよりも速いタイムで帰って来てくれる。

 日本が五輪のメドレーリレーでメダルを取るには前半の背泳ぎと平泳ぎでリードを奪うのが鉄則だ。実際ロンドン五輪の時も、入江が2位、そして北島康介さんが1位で引き継いでくれた。

 東京五輪では混合メドレーリレーも正式種目だ。これはメドレーリレーと同じ、背泳ぎ→平泳ぎ→バタフライ→自由形の順番で、男女2名ずつで泳ぐ種目。男女がどこを泳ぐかは自由だ。

 このパンパシ水泳でも、日本は入江・小関也朱篤・池江璃花子・青木智美で出場し、初日にこの種目で銀メダルを獲得していて、入江の復活と小関や池江の成長で、五輪のメダルが見えて来た。

 2年後の東京五輪、入江は30歳になる。

 自国開催の五輪という、これ以上にない最高の大会で、入江は、100m、200m背泳ぎの個人種目2つに、メドレーリレー2つの、4種目でメダルを狙いにいく。明日行われる200m背泳ぎにも期待が膨らむ。

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