レース中「迷子」になった大橋悠依。アクシデント発生も余裕の金 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真 photo by Tsukida Jun

「前半はベストの時より1秒弱足りなかったですが、後半の平泳ぎは練習であまりよくなかったわりに、しっかり泳げたので安定してきていると思います。ただ、集中しきれなかったことで300mまでに、けっこう力を使ってしまったので、最後の自由形は疲れが出てきちゃったのかなと思います」

 今回の4分33秒77も昨年の世界ランキングなら5位に相当する記録だが、ラスト100mを日本記録時並みに、しのげていれば自己3番目の4分32秒台前半には届いている状態だった。

「狙った大会で勝つというのはすごく大事なことだと思いますし、何かハプニングがあったにしろ、しっかり泳ぎ切れたのはすごくよかったと思います。大会はまだ続くので200mでは今回のような、練習してきた以外のところで失敗しないようにしたいと思います」

 世界を見ればこの種目には4分26秒36という圧倒的な世界記録を持つ、スーパースイマーのカティンカ・ホッスー(ハンガリー)がいる。彼女への挑戦権を得るためにも、今回はもう一度4分30秒台を出して、世界のライバルたちにも恐怖感を与えたかったというのが本音だ。それを実現できれば、ホッスーにも迫る4分29秒台や28秒台も明確に見えてくると考えている。

 その野望は実現できなかった大橋だが、アクシデントがあった中での勝利で、ライバルたちにその存在感は示せた。次は11日の200m個人メドレーで、さらに強いインパクトを与えられるかに注目だ。

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