超人スイマーか? 「泳ぐたびに新記録」の池江璃花子が世界に急接近! (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 二宮渉●写真 photo by Ninomiya Wataru

 池江の100mバタフライの前半のラップを見れば、56秒86で6位だったリオ五輪は26秒81で入っていて、昨年の世界選手権準決勝を56秒89で泳いだ時は26秒77だった。

 それが今大会では、予選で26秒73、準決勝は26秒44、決勝は26秒12と、どんどんタイムを上げている。これは25秒台中盤で入る世界記録保持者のショーストレムを別格とすれば、他の選手とは互角以上のタイム。これまであった心の壁を取り払ったことで、しっかり戦える準備ができてきた証拠だろう。

 残すは、その泳ぎを世界の舞台で再現することだけだ。今年は、オリンピックも世界選手権もないが、昨年の世界選手権を56秒18で2位になっているエマ・マキオン(オーストラリア)や56秒37で3位のケルシー・ウォレル(アメリカ)とは、8月のパンパシフィック選手権で対戦でき、その後はアジア大会も控えている。

 池江も「記録が出たと言っても日本の試合だから何とも言えない。これ以上の記録をパンパシやアジア大会で出したいし、ここで絶対に終わりにしたくないと思います。そのためには練習を怠(おこた)らずやること。それを乗り越えたからこそ身につく自信もあると思うので、その自信を持ってレースに臨むことがすごく大事だと思います」と気を引き締める。

 これまで日本がなかなか世界で通用しなかったパワー系種目の短距離で、池江がどこまで風穴をあけてくれるか、期待はさらに高まってきた。

◆平昌の裏で...。東京五輪のホープ・池江璃花子が日本新を連発していた

◆池江璃花子が再スタート。世界ジュニアで明暗を分けた2レースの違い

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