松田丈志が提言。「世界の進化は早い。日本も成長スピードを上げる必要あり」 (5ページ目)

  • 松田丈志●文・写真 text & photo by Matsuda Takeshi


 レベルの高い集団になればなるほど、意識もトレーニング強度も上がる。日本水泳界の最高レベルのチームは間違いなく日本代表チームになるわけだから、帰国後に平井監督が語った、年間を通して代表チームの活動を行なっていくことは、そういう意味でも有効だと思う。

 それは常に高いモチベーションで、高い強度でトレーニングと向き合うことにつながる。これをやるには日本水泳連盟としては制度から変えていかなければならないところもあり、大変だとは思うが、今後代表チームの若手選手の成長スピードを上げるためにも新たなコーチングスタッフを育てるためにも実現してほしい。その積み重ねが「もう少し」を詰める成長につながると思う。

 選手目線でいうと、代表チームとしての活動期間が増えるのはうれしくもあり、しんどくもある。なぜなら、毎日レベルの高い練習相手とレベルの高い目線を持ったコーチ陣と過ごすことになるからだ。ただ、そこには自分だけでは得られない成長もあるだろう。

 明るい兆しでいうと、今回は日本人が2人、決勝に残った種目が6つあり、そのうち5種目で6つのメダルを獲った。

 これは決勝の舞台に日本人が2人いることで精神的に1人の選手の負担が減る部分もあるし、2人決勝に残れるということは、その種目は日本国内のレベルが高く、国内での競争も激しいということだ。今後さらに日本人が2人とも決勝に残れる種目をたくさん作って行くことによって、世界の舞台で結果を残せる確率も上がっていくだろう。

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