世界水泳で金メダル0も、個人メドレー陣の活躍は胸を張っていい (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 近年は、個人メドレーを含めた複数種目で結果を残す日本人選手も多くなっている。その先駆けとなったのは、やはり萩野と瀬戸だ。萩野は2013年に行なわれた世界水泳の400m自由形で銀メダルを獲得し、2014年のアジア大会では、100m・200m背泳ぎでも3位に入っている。瀬戸も個人メドレーと200mバタフライを並行して行ない、今大会はバタフライの方で銅メダルに輝いた。

 女子選手も、2015年大会の200m個人メドレーで銀メダルを獲得した渡部は、本職の平泳ぎで多くのメダルを獲得してきた。また、もともと200m平泳ぎが専門の今井月(るな)は、今大会の200m個人メドレーで5位に入り、同種目で日本新記録を更新して銀メダルを獲得した大橋悠依も、かつては背泳ぎを専門としていて、日本選手権では200mに出場している。

 個人メドレーに挑戦する選手たちが単種目で活躍することは、それぞれの種目を専門にしている選手たちに刺激を与える。個人メドレーに出場した選手全員が結果を残した今大会は、東京五輪に向け、日本水泳界の層をより厚くするために大きな成果を上げたといえよう。

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