松田丈志から日本競泳陣へ。「東京五輪で大歓声を浴びるのは君たちだ」 (5ページ目)

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi photo by Kyodo News


 第3泳者の小堀勇気は51秒21、第4泳者の塩浦慎理は47秒64と、この2人も好タイムで泳いでくれた。2人が揃って言っていたのは、両側のコースで先行するアメリカとイギリスの波がすごかったということだ。競泳は隣のコースの選手の足元辺りで泳ぐのが一番波を受ける。今回の小堀と塩浦はまさにその位置だった。

 予選2位という好位置で通過したために生じた弊害だが、これを解決するには、あえて端のコースで残るか、背泳ぎと平泳ぎで先行するか、パワーをつけてその波の中でも泳げるようにしていくしかない。選手同士で課題を共有し、上を目指していってほしい。

 今回日本チームは男女とも出場したリレー種目では健闘してくれた。私はリレーで2つメダルを獲らせてもらったが、あの感動は忘れられない。それが自国開催のオリンピックだったら、なおさらだろう。

 選手たちは今大会、地元ハンガリーの盛り上がりを肌で感じたことだろう。次のオリンピックで、あの歓声を浴びるのは君たちだ。

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