池江璃花子、世界水泳でメダルゼロ。どこまでタフになれるか (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao

 その準決勝は「自分では抑える感じで泳いだ」とはいうが、前半は26秒77と自身が持つ日本記録のラップタイムより0秒04速かった。結果は日本記録に迫る56秒89で、またしても全体4位通過。

「ターンのタッチが少し合わなかったけど、それさえ合えば自己ベストは出たんじゃないかと思います。ゴールしてタイムを見た瞬間は『あとちょっとだったな』と......。悔しいというより『これなら(自己ベストは)絶対に出るな』と思いました。気持ちとしてはだいぶ抑えて泳いだけど、前半からけっこういいタイムで泳げたので、感覚としてはいいと思います」と明るい表情で話し、メダル獲得への意欲を高めていた。

 だが、24日の決勝ではその狙いが狂ってしまう。前半のストローク数はこれまでと変わらず18で、動き自体も準決勝と同じように見えたが、折り返したタイムは予選より遅い27秒03で最下位。そこから終盤にかけて追い上げたものの、ふたりかわすのが精一杯。後半の50mは準決勝より0秒07速い30秒05だったが、ゴールタイムは57秒08で6位にとどまった。

「自分のバタフライの持ち味は後半にあるので、前半は自分のペースで泳いで後半上げていこうというプランだったけれど、なかなかうまく上がってこなかった。ターンをして浮き上がった時は(2位の)エマ・マキオン選手(オーストラリア)が近くに見えたので、『頑張ればいける。メダルを獲りたい』と思って泳いでいました。最後は『動く、動く』と自分に言い聞かせながら泳ぎ切りましたが、自己ベストも出なかったし、ヨーロッパグランプリの時から意識していた7レーンの韓国のアン選手にも負けたのがすごく悔しい。やっぱり実力不足だなと思いました」

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