松田丈志の夢。陸上に続き、男子4×100mフリーリレーで五輪メダルを (2ページ目)

  • 松田丈志●文・写真 text & photo by Matsuda Takeshi

日本記録を更新、大健闘した男子4×100mに出場した面々日本記録を更新、大健闘した男子4×100mに出場した面々
 日本チームも健闘した。中村克、塩浦慎理、松元克央、古賀淳也のメンバーで挑み、リオの予選でマークした日本記録を更新しての5位入賞だ。日本は着実に伸びてきている。世界水泳ではこれで3大会連続の決勝進出。昨年のリオ五輪では48年ぶりにこの種目で決勝に進んだ。

 今回メダルを獲得したハンガリーとのタイム差は1.66秒。ひとり0.4秒縮めれば、届く計算だ。いいメンバーが揃ってきているし、まだまだ伸びていけるはずだ。

 私が昨年のリオ五輪で4×200mフリーリレーで銅メダルを獲得した時、4年後の東京五輪に向けて思ったことがふたつある。ひとつはこの銅メダルが金メダルになってほしいということ、そしてもうひとつは男子4×100mフリーリレーでメダルを獲ってほしいということだ。

 やはり自由形は競泳の花形種目だ。この種目で世界と対等に戦えるようになることが今の競泳日本が競泳大国になるために残された最後の課題だと思う。

 そこに向けてのプロジェクトも進んでいる。日本水泳連盟は自由形強化のプロジェクトを立ち上げ、強化合宿や測定合宿を行なっている。"速い"のには必ず理由がある。測定を重ねることで、その違いもわかってくる。それさえわかれば、あとは改善と実行ができるかどうかだけだ。

 またフィジカルがモノをいう種目でもあるだけに、選手には身体づくりのトレーニングや食事にも徹底的にこだわってほしい。あと3年でどこまでの成長を見せてくれるのか。成長のスピードを上げていくためには、用意された強化プロジェクトも大事だが、選手たちらが協力し合い、動き出すエネルギーも必要だと思う。

 開催国ハンガリーの躍進と日本チームの健闘を目の当たりにして、改めて夢を見たいと思った。

 リオ五輪では陸上の日本のスプリンターたちがメダルを獲った。競泳のスプリンターにも絶対できるはずだ。

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