金銀銅メダル獲得でも萩野公介は自分に怒り。リオ五輪の競泳終了 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 萩野が痛切に感じたのは、複数種目を戦う難しさだ。400m個人メドレーで戦う準備は十二分にできていたが、200m種目で戦うためのスピードが足りなかった。

「1日、1日を戦うという難しさですね。簡単なようで難しいと思います」と言う萩野が感じたのは、国内で戦うレベルと世界でのレベルは遥かに違っていたということだ。

「精神的なタフさと肉体的なタフさが求められる中で、最後までしっかりと自分の実力を出し切るということができなかったのだと思います。確かに今の実力の100%、120%は出し切れたと思います。でもロンドン五輪からリオまでの4年間の、1日、1日の練習で培ってきたものを120%ここに置いてくることができたかというと、『果たしてどうだろうか?』と思うので。やっぱり僕が今一番欲しいのは強さです。どうやればもっと強くなれるんだろうというのは、すごく思いました」

 そんな強烈な思いがあるからこそ、4種目の戦いで手にした金、銀、銅の3個のメダルについても、「メダルは付加価値に過ぎない」とまで言うのだろう。一方では、「こうやって4年に一度の大舞台で、世界の強豪スイマーたちと一緒に泳げたということは本当に幸せですし。だからこそもっといい泳ぎをしたかったというのはあります」と語る。

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