水中最速のマーメイド女子大生。フィンスイミング日本代表・藤巻紗月 (2ページ目)

  • たかはしじゅんいち●文・撮影 text & photo by Takahashi Junichi

 芸人のオードリー春日や、じゅんいちダビッドソンが"ワールドカップマスターズ大会(35〜44歳)"の日本代表になったことでも知られるフィンスイミングは、フィンと呼ばれる足ひれを装着して泳ぐ水中競技だ。フィンの種類として、1枚のフィンに両足をそろえて装着するモノフィンと、2枚のフィンを左右それぞれの足に装着するビーフィンがある。
 
 藤巻はモノフィンの競技者で、見た目は、さながら人魚、イルカのように泳ぎ、スピードを競う。フィンスイミングは水中で最速の競技とされており、モノフィンのアプニアは競泳のクロールのおよそ1.5倍ものスピードに達する。

 もともと兄弟の影響で3歳から水泳を始めていた藤巻は、小学校6年生のときに参加したフィンスイミング体験会によって大きな転機を迎えた。

「フィンをつけて泳いだときの、スピード感、水中での水を切る音にアッという間に夢中になりました。水泳ではドルフィンキックを使うバタフライが好きだったので、このフィンスイミングという競技でトップを目指そうと思いました」

大きなフィンとキック力が、水中最速競技といわれるスピードを生み出す大きなフィンとキック力が、水中最速競技といわれるスピードを生み出す

 フィンスイミングに転向してからわずか3カ月で、ジュニア(U13)の日本新記録(50mSF、100mSF)を樹立。その後はユース(U17)でも、その年代の日本新記録 (50mSF、50mAP、100m×4リレー)を叩き出す(その記録は未だに破られていない)。イルカが大好きで、ドルフィンキックが得意だった少女は、アッという間にフィンスイミングの世界でトップスイマーになった。

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