強いぞ「ポセイドンジャパン」。リオ五輪前哨戦で強豪国がたじたじ (4ページ目)

  • 田坂友暁●取材・文 text by Tasaka Tomoaki
  • 岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

 五輪前哨戦でもあった今大会を終えて特筆すべきなのは、日本が驚くほどのスピードでパスラインディフェンスをレベルアップさせていることだ。

 どんな戦略やシステムにも、弱点は存在する。その弱点を突かれたとき、どれだけ早く対応ができるかどうかが、そのチームの強さと言い換えてもいい。連戦だったブラジルとの対戦で、日本は高い対応力を証明してみせた。

 32年ぶりに五輪出場を果たした日本代表チームは、ただ単にパスラインディフェンスによって強くなったのではない。このパスラインディフェンスを土台とする、大本HCや選手たち全員の対応力の高さが、今の日本代表の本当の強さなのである。

 6月21〜26日、中国の恵州で行なわれるワールドリーグスーパーファイナルでは、五輪本番でも当たるオーストラリア、ハンガリーが同じ予選グループに入っている。またしても五輪でのライバル国、事前に対戦できるチャンスを得た。

「パスラインディフェンスに、ゴールはありません。これからたくさんの試合を重ねて、その度に見つかる課題をクリアしていき、さらにシステムを強化していくだけです」(大本HC)

 五輪本番までに、日本はパスラインディフェンスをどこまでレベルアップさせることができるのか。高い対応力で急速に成長していく水球日本代表の今後の戦いから、目が離せない。

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