ケガから復活の萩野公介。リオ五輪のメダルがハッキリ見えた (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 二宮渉●写真 photo by Ninomiya Wataru

「でもここが終わりではないので、ここからさらにもう一段階ギアを入れていかなければいけないと思います。リオ五輪の目標は200m個人メドレーと400m個人メドレーの金メダルと、200m自由形のメダル獲得。それに4×200mリレーでも4人で力を合わせて、絶対にメダルを獲って帰ってきたいと思っています。これからきつい練習をしながらレースにもドンドン出ていくと思いますが、絶対に負けたくない。負けたら金メダルが遠のいてしまうという意識で精一杯やっていけたらと思います」

 こう話して気持ちを引き締める萩野は、3年前から一緒に練習をしていて、直近の高地合宿では同部屋になっていろいろなことを学ばせてもらったという北島康介の引退に対してはこう語った。

「やっぱり北島さんがいるといないとではチームの雰囲気はまったく違うし、それほど北島さんがほかの選手に及ぼす影響というのは計り知れないものでした。そんな北島さんが代表にならなかったからには、僕たちは頑張る頑張らないじゃなく、自分たちで北島さんがこれまで担っていてくれたいろいろなことを背負って、精一杯やらなければいけないと思っています。だからこそリオ五輪でいい結果を出して、『自分たちはここまで強くなりました』というのを北島さんに見せたいと思います」

 自身が3冠を獲得した一方で、北島が代表権を逃して引退を発表した日本選手権。それは萩野にとって、「自分が本当にチームを引っ張る存在として成長していかなければいけない」ということを改めて決意させる、記憶に残る大会になったはずだ。

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