ケガから復活の萩野公介。リオ五輪のメダルがハッキリ見えた (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 二宮渉●写真 photo by Ninomiya Wataru

 さらに大会3日目の200m自由形では自身が持つ日本記録には0秒27及ばない1分45秒50の優勝。「50mから100mを落とし過ぎたので日本記録には届かなかったけど、予想通りのタイム。後半も悪くなかったので五輪ではメダルを狙いたい」と話して納得した表情を見せたが、喜びを滲ませるほどではなかった。

 そんな状況だったからこそ、最後の200m個人メドレーでの日本記録樹立は、彼自身も待ちわびていたものだったのだ。

 萩野は今大会を「最初はもうちょっといい結果を出そうと思っていたけど、4年ぶりの五輪選考会だし、雰囲気も特別なので……。最初の方は緊張して、うまく自分らしい泳ぎや感覚をつかめなかった。でも徐々に体の調子もよくなり、会場の雰囲気にもうまく溶け込んで、最後は力を出せたのかなと思う」と振り返った。

 そしてここまでの道のりを、「去年1年間は肘の骨折などいろいろなことがあって自己ベストが出ていなかったので、表彰台で日本記録の賞状をいただいたときには本当に『ああ、久しぶりだなー』と思いました。自己ベストが出たことで『今の泳ぎでも全然大丈夫なんだ』ということを心から思うことができたし、他の種目も遜色がないように泳げたので良かった」と言って笑顔を見せた。

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