2016.04.08

【水泳】苦悩したロンドンのヒロイン、鈴木聡美が取り戻した「本当の自分」

  • 田坂友暁●取材・文 text by Tasaka Tomoaki
  • 二宮渉●写真 photo by Ninomiya Wataru

 2015年、日本代表からも外れてしまった鈴木が選んだのが、『原点回帰』。鈴木の泳ぎを支え、メンタルの支えでもあった1キックをもとの動作に戻し、1キックで大きく進む泳ぎに切り替えた。その結果が、コナミオープンで見つけた鈴木”復活”のカギだったのだ。

「気持ちは上を向いているのに、泳ぎがうまくいかないし結果も出ない。キックのかかりが悪いことが、メンタルをマイナス方向に向かわせていました。でも、ロンドン五輪のときのキックに戻して、それが自分に合っていると実感したことで、気持ちがもっと上を向き、自信を持って泳げるようになりました」

 リオデジャネイロ五輪代表内定を決め、笑顔でそう答えた鈴木の目には、もう迷いはなかった。1年前、涙に濡れた東京辰巳国際水泳場のミックスゾーンは、輝く希望の道へと変わった。

 まだ、2009年に出した100mの自己ベストである1分06秒32はクリアできていない。しかし、以前のように自信に満ちあふれ、前向きな強い信念を持てるようになった鈴木が、それを更新する日も近いだろう。

 4月8日、日本選手権5日目の今日、鈴木は200m平泳ぎに出場する。勢いに乗った鈴木の爆発力は、ロンドン五輪で証明済み。今大会は、『原点回帰』で手に入れた、鈴木本来の伸びやかな、そしてスピード感溢れる泳ぎで、100mに続いて五輪代表権を獲得できるかに注目しよう。

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