【水泳】伸び盛りの15歳!池江璃花子「5カ月で3つの日本新記録」 (3ページ目)

  • 田坂友暁●取材・文 text by Tasaka Tomoaki
  • photo by Sho Tamura/AFLO SPORT

 2015年9月和歌山国体で、100m自由形の後半50mが28秒46(54秒38)だったのに対し、10月のワールドカップ東京大会では27秒64(54秒14)、そして53秒99の日本記録を樹立した1月の東京都選手権での後半50mでは、27秒58にまで縮まっている。

 入水してから慌てて水を掻くのではなく、落ち着いて腕全体で大きく水を捉えてから最後までかききること。1ストロークで進む距離を伸ばすコツは言葉にすると簡単だが、短距離種目であるほど、レース中に"落ち着く"ことは難しい。だが、恐いもの知らずの物怖じしない性格の池江は、レース中に落ち着いて自分が取り組んできたことを実践できる心の強さがある。このメンタルも、池江の成長を支えているのである。

 レース後のコメントだけを聞けば、中学生離れした落ち着いた雰囲気に感じるものの、話すときに見せる表情を見てみると、まだ幼さが残っている。時には、はにかむような表情を見せたり、悔しさやうれしさから思わぬ涙を流したりする場面もある。

 屋外プールで練習するグアム合宿が続くことに対しては、「日焼けするのは、あんまり好きじゃないんです。今は良いかもしれないけど、大人になったら跡が残るっていうじゃないですか」と、少し照れるような表情でコメントする姿は、まさに15歳そのものだ。

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