【水泳】北島康介ついに復活か。リオ出場に向けて好成績連発! (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

「まだ、たいした練習はしていないですよ。スピードが出ていないのでいい姿勢が最後まで保てたのかもしれないけど、こういう泳ぎができるようになれば、もっとスピードも上がって、後半も耐えられるようになるので。この大会で体にきっちりと負荷をかけられたというのが、記録より一番大きいかなと思いますね。ここから強化をしていけると思うので、じっくりと焦らずに、持久力のベースを少しでも上げて戻ってきたいな、という気持ちになっています」

 そんな北島の泳ぎを見て、平井伯昌コーチは「派遣標準のレベルになるまでにはもう一山もふた山もあるだろうけど、今回は正直2分08秒前半も無理な感じはしない」と評価する。

「去年は200mに力を入れていたわけではないけど、今年は本人もリオデジャネイロ五輪に向けて200mも視野に入れていくと言っていたので。今日は175mくらいからはいっぱいいっぱいになって、終わってから座り込んでしまうほど力を出し切った2分13秒だったけど、泳ぎがきちんとしているからこそのガソリン不足かなと思いますね。これまでは忙しくて、練習に本腰を入れられない状態でしたが、高地合宿に納得して行けるというのは大きいし、今の康介なら高地でやることの全部が身につくだろうな、という感じです」

 北島は「(4月の)日本選手権も100mだけだと2日目で終わるから、200mもきちんと狙って大会を楽しみたい」と笑う。だがその心の内にあるのは200mで泳ぎを作り、それを100mにも活かしていこうという考えだ。

 それは彼と平井コーチが取り組み、58秒91の世界記録(当時)として結実した08年北京五輪まで道のりでもある。その後のロンドン五輪へ向けては新しい泳ぎも意識した。

 平井は「今は、きちんと基本に戻ろうとしている気持ちがある」と言う。

 彼らは今、“スイマー・北島康介”を作り上げてきた道を再びたどりながら、最後の五輪へ向けての戦いを始めようとしている。

水泳記事一覧>>

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る