【水泳】萩野公介と渡部香生子、ふたりの4冠達成が示す意味 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 横山健太●写真 photo by Yokoyama Kenta

「今大会はなかなかいい泳ぎができなくて、自分でももどかしい部分があったけど、最後の400m個人メドレーに関してはレースをしながらしっかりと泳ぎのことを考えられて、今までの中で一番いい泳ぎができたと思います。特に苦手な平泳ぎはラストの自由形のためにパワーを残すような感じで泳いだけど、その割にラップタイムも全力で行った時と1秒も差がない1分11秒69で行けた。大也のストロークが速いのを見て、最後はきつくなるかなと冷静に判断できた。記録的にもまあまあ合格点だと思うけど、まずは練習からいい泳ぎをして、そのままレースでもやっていかなければいけないというのを今回感じることができました」

 肩痛の影響もあり、冬場は思うような練習ができず、いい泳ぎで長期間練習を積めなかったことが今回の記録に表れたと素直に認める止める一方で、萩野は「悪いなかでも1日ずつ調子を上げられて行ったかなと思うし、今年の世界選手権や来年の日本選手権、リオデジャネイロ五輪へ向けては、ひとつのいい練習になったかなと思います」とも語った。

 また平井コーチは「萩野に合う練習で世界一を目指さなければダメ。これまで多種目を泳いでいて400m個人メドレーではどんな形のレースが一番最適かをなかなか試せなかったが、6月のヨーロッパGPでは200m個人メドレーも含めて短期間で3回泳ぐことができる。そこでいろいろ試してみることができるので、それが大きなカギになると思う」と、7月の世界選手権へ向けての抱負を語った。

 一方、大会初日の女子50m平泳ぎを初制覇し、女子では02年の萩原智子以来の4冠を達成した渡部も、体調不良や連覇へのプレッシャーで苦しんだ。

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