【水泳】渡部香生子「雪辱の金」で示した17歳の貫禄 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真photo by Nakamura Hiroyuki

 国際大会での金メダル獲得で、表彰台の上ではしみじみと嬉しさを感じていたと恥ずかしそうに微笑んで話す渡部だったが、「金メダルは獲れたけど、やっぱり世界になるとレベルも全然違うので……。ここで満足せずに、これからも努力しながらやっていこうと強く思いました」とこの先を見据えて表情を引き締めた。

 100mの銀メダル、200m金メダルともに今季世界ランキング2位の記録だっただけでなく、勝負という面でも、今後上位のヨーロッパ勢と戦っていく上でも、足場を固められた大会だったと言える。 

 一方、この日の日本チームは渡部以外も活躍をした。

 男子200m個人メドレーで、「世界で勝つためには前半から積極的に行かなくてはいけない。その意味でも前半の100mを54秒15でいけたのは収穫」と話す萩野公介が、復帰してきたマイケル・フェルプス(アメリカ)の強烈な追い上げを0秒02かわして優勝し、瀬戸大也も3位に食い込んだ。

 さらに男子200m平泳ぎでは、「150mからはすごくきつくなってアメリカの選手が追い上げてくるのが見えていた」と苦笑する小関也朱篤(こせき やすひろ)が、前半の積極的な泳ぎを貯金に、2分08秒57で優勝して100mとの2冠獲得を果たし、小日向一輝が銅メダルを獲得。

 日本チームは金7、銀8、銅4で合計19個のメダルを獲得して大会を終了した。

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