【水泳】3冠の17歳・渡部香生子。「やっとスタートラインに立てた」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi photo by Nakamura Hiroyuki

「ここまでは彼女が持っている力で来たけど、これから僕の責任は重大になりますね」と語った竹村コーチは、「100mで1分6秒台が出たので、200mは2分21秒前半が出ると思っていた。その点は予定通りですね」と笑う。

「今日、日本記録を塗り替えられたら、とも思っていたんです。世界で戦うためには2分19秒台を狙っていかなければいけないから、そのためにもまず20秒台を出したいと。今回、最後の50mを35秒台で泳いだのは大きな収穫です。でも2分19秒台へ行こうとするならば、前半は1分7秒台が見えて来なければいけない。そのためには100mの記録をもっとあげなくてはいけないですね」

 世界の平泳ぎのレベルはロンドン五輪前から男女とも一気に上がり、女子200mの世界記録は昨年の世界選手権で出た2分19秒11。それに迫るためには、100mでも昨年の世界選手権メダル圏内の1分5秒台中盤は必要になる。これから渡部が目指すのはそのレベルということだ。

「やっと世界と戦えるスタートラインに立った」と言う渡部。竹村コーチとの二人三脚の戦いは、まだ始まったばかりだ。

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