【水泳】北島康介が復帰。「チーム平井」が生み出す競泳界の新たな波 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 また、萩野と同い年で、世界短水路で個人メドレーの日本新を連発した瀬戸大也(JSS毛呂山)は、萩野と一緒に練習をしたがっているという。そのため、ナショナルチームの合宿では、瀬戸を指導する梅原孝之コーチに瀬戸と萩野のふたりに加え、松田丈志や、成長著しい砂間敬太(天理高)を担当させる構想もある。

「選手がいっぱい集まって大変ですね、と言われるけど、そうでもないんです。たしかに、10代の萩野や山口たちについてはこれから育てていかなくてはいけないから、その教育や、結果について責任がある。

 でも、メダルを獲った選手にはきつい練習を提示しつつも、基本的には場所を提供するようなもの。もっと余裕を持ってやって、自己マネジメントしろよ、と言うくらいでしょう。

 そういうトップの選手たちはあれだけ頑張ってきて実績があり、技術も高いものを持っているけど、こちらがアドバイスをした時には素直に聞いてくれる。そうした振る舞いが萩野とか山口に好影響を与えないはずはない。だから、トレーニングをしていて楽しいんです」

 スイミングクラブや学校単位での強化をベースに、結果を出してきた日本の競泳。ロンドン五輪で11個のメダル獲得という実績を挙げた今、この先、どうやって選手の能力を伸ばしていくべきか。

 日本のトップスイマーが集まった「チーム平井」の活動は、日本競泳界に新しい波を生み出すに違いない。

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