「日本のお家芸にしたい」。世界陸上で4位と男子のマイルリレーが健闘、より上位を目指せる選手たちが育っている

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFP/AFLO

 日本陸連の土江ディレクターは「マイルも04年アテネ五輪後は低迷したが、2019年からは海外や国内合宿などの様々な取り組みをしてきて、成長しつつある。ただ、これが最終形ではないし、満足するところではない。メダル獲得だったり、それより上の順位を目指せるようなモチベーションを持った選手たちが育ってきていると思う」と評価する。

 このレースで個人の44秒台が確実に見えてきたウォルシュは「やっぱり経験がものを言うと思います。今日は気持ちが高まって今年一番の走りができたが、個人的には早く44秒台を出してチームをもっと引っ張っていけるようにしたい。この世代でマイルチームのレベルを上げ、4継だけではなくマイルも日本のお家芸にしたい」と高い意欲を口にした。

 チーム最年少20歳の中島も「個人の課題は、もっとスピードをつけることですが、全体的にはもっと海外経験を積まなければいけないと思います。日本のレースと海外のレースではペース配分も違うし、200mを通過してからが勝負というレースが多いので。そういうレースや大会の雰囲気に慣れていくのも、マイルチームには必要だと思う」と話す。

 今大会、序盤のサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)の100m決勝進出以降、結果が出なかった日本の男子トラック種目を、最後に救ったマイルリレー。彼らはこの結果を、来年の世界陸上、その先のパリ五輪への原動力としていくだろう。

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