箱根駅伝で國學院大は旋風を起こせるか。課題は主力の平林清澄の走りと中間層のレベルアップ (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 千葉 格/アフロ

課題は中間層の強化

 関東インカレの時、中西はこう言っていた。

「チームの完成度はまだ60%ぐらいです。関カレの翌週にある法政大の記録会に多くの中間層の選手が出場するので、そこで力を証明してほしいと思っています」

 法政大学記録会の5000mでは中西がペーサーをつとめるなどしたが、暑さの影響もあってか、16人が出走して自己ベスト更新は3人しかおらず、「ダメでしたね」という結果に終わった。

「ホクレン後の網走学連記録会(7月18日)に伊地知(賢造・3年)、坂本(健悟・4年)、藤本(竜・4年)ら主力のひとつ下の上位層が参加するので、そこで自己ベストを求めています。また、中間層は富士裾野でのレース(7月16日)に参加します。故障していた選手を含め、みんな、どのくらい上げてくるのか。上半期、チームとして全員の自己ベストを目標に掲げているので、それをしっかりクリアしてほしいですね」

 果たして富士裾野でのレースでは5000mと1万mに22名の選手が出場したが、自己ベストを更新したのは5000mで13分59秒33を出した三潟憲人(2年)ひとりだった。網走学連記録会では、5000mで青木瑠郁(1年)が13分48秒61で自己ベストを更新。1万mでは、伊地知が28分29秒95、藤本が28分53秒77、坂本が28分54秒53で、それぞれ自己ベストを更新した。また、1万m初レースの高山豪起(1年)が29分39秒31、嘉数純平 (1年)が28分58秒44というタイムを出して、ルーキーとして上々の走りを見せた。裾野と網走で明暗が分かれた結果になったが、中間層の強化はこれからも継続していくことになる。

「チームとしては、まだまだですね。夏合宿のテーマはまだ決まっていないですけど、ひとり1000キロ以上走ることが軸になってくると思います。3部練、休みなしで、がちがちに走り込んでいきたいと思います」

中西は決意を秘めた表情で、そう言った。

今年の國學院大は中西主将を始め、島﨑、伊地知、平林、山本歩夢(2年)の5人が軸になり、チームのアベレージを高めており、藤本、坂本ら4年生も調子を上げている。だが、箱根駅伝を上位で戦うにはその次の戦力の台頭が必要になる。2年生、1年生を、どれだけ駅伝メンバーに押し上げていけるか。夏合宿で平林、山本らが引っ張る2年生の踏ん張りが大きなキーになりそうだ。

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