箱根駅伝で國學院大は旋風を起こせるか。課題は主力の平林清澄の走りと中間層のレベルアップ (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 千葉 格/アフロ

主将の中西大翔は好調

 主将の中西も調子のよさを維持している。ロードシーズンの締めとなる学生ハーフで2位に入ると、トラックシーズンの関東インカレ1万mでは平林より先着して28分35秒87で5位入賞。ホクレン深川大会の1万mB組では28分30秒47で日本人トップの3位、網走大会の5000mでは13分38秒45で自己ベストを更新した。

「次、もう1回5000mを走ったらもっとタイムが出そうだなというレースができたんで、すごくいい経験になったと思います」

 中西は、笑みを浮かべて、そう言った。

 昨年は、故障で苦しみ、自己ベストから離れていたが、今年は外さないレースが続いている。好調の要因は、どういうところにあるのだろうか。

「今年は、最終学年として引っ張っていきたいという思いが強かったので、すごくいい練習ができていて、それが少しずつ形になってきました。あと、(練習を)やりすぎてしまうと疲労がたまってスピードにキレが出なくなるので、落とすところは落としてメリハリをつけるところとセルフケアを徹底してやっているのが大きいですね。ストレッチポールで毎日15分から30分ほどケアしていますが、ポイント練習後にやるとかなり筋肉がやわらぎます」

 アフターケアに時間をかけることで疲労を取り、翌日の練習の準備をする。もちろんケガの予防にもなる。その結果、質の高い練習を常時こなせるようになり、それがレースで結果として出ているのだろう。トラックシーズンは「個人的には80点」と中西は語ったが、充実した様子が言葉や余裕のある表情からもうかがえる。

 だが、チームのことになると少し険しい表情を浮かべた。

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