駒澤大・大八木監督が箱根駅伝での誤算を語る。有力校の主力が残る次回大会は「本当に戦国時代になる」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO

 今回の駒澤大の強みは、田澤という絶対的なエースに加えて2年生に力のある選手が揃っていることだった。それは今回、10区間中7区間が2年生だったことでも示されている。だが逆を見れば、4年生1名で3年生は2名しかいない編成。

 それに対して青学大は、4年が2名で3年は4名、2年と1年が2名ずつとバランスが取れた編成だった。今のチームを支えている下級生たちの強さが、今回の箱根では逆に弱点になってしまったと言える。

 だが大八木監督は、来年へ向けては「面白くなりそうだ」と声を弾ませる。

「青学大との差を見れば、やはり6~7番手以降の差はあったと思います。でも上位選手一人ひとりの力を比較すれば、そんなに負けていないと思う。来年の4年生は、田澤と山野のほか、今回走れなかった東山静也(3年)がどこまで伸びてくるかですが、3名はいます。それに3年生が8名くらい揃うだろうし、2年生も今回は、エントリーに入りながらも走れなかった篠原と佐藤条二もいて2名は確実に入ってきます」

 さらに4月には、1500mと3000mに加えて5000mでも13分31秒19の高校記録を出した超大物の佐藤圭汰(洛南高)も入学してくる。ほかにも期待の新入生がいて、佐藤を中心に3人くらいが上がってくれば、各学年のバランスも取れて層も厚くなる。

「今は青学大が2連覇、3連覇をしそうな勢いがありますが、そういうチーム構成になれば、どこかで崩せる可能性はあるかなという気はします。箱根を考えれば青学大は前で走ると勢いに乗るチームなので、先行するチームが出てくるかどうかですが、来年は青学大の他にも強力な大学はある。2位になった順天堂大は、今回走った3年生5名と2年生2名が残りますし、東京国際大も主力の3年生は全員残ります。それに東洋大も上級生になる学年が7人残っている上に、今回走らなかった石田洸介(1年)も入ってきます。それこそ本当に戦国時代になって、全日本大学駅伝で勝つのも難しくなると思います。そういうなかで、勝つ駅伝をして強さを見せたいというのはあります」

 こう力強く大八木監督は語ってくれた。

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