箱根駅伝の順位を予想した識者3人が反省会。実際の順位と比べて各大学の「予想外」だったこと

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【青学大を圧勝に導いた原晋監督の眼力】

■折山淑美(スポーツライター)

【予想順位】        【実際の順位】

1位:駒澤大(青山学院大)  青山学院大

2位:青山学院大(駒澤大)  順天堂大

3位:創価大         駒澤大

   順天堂大        東洋大

   東洋大         東京国際大

   早稲田大        中央大

7位:明治大         創価大

   國學院大        國學院大

   東京国際大       帝京大

   東海大         法政大

 優勝は「2強」と目されていた駒澤大か青学大を予想していたが、青学大の走りで驚いたのは、往路に1年生を起用し、その選手たちが快走したことだ。

 前回4位に終わった青学大の敗因は2区と3区の失速に加え、4区で10位まで盛り返した勢いを、区間17位となった5区で途切れさせてしまったこと。それだけは避けたかったはずだが、2020年の大会で5区区間2位だった飯田貴之(4年)ではなく若林宏樹(1年)が起用された。若林は1万mのタイムがチーム3位だったため、原晋監督の自信を持った起用だと予想できた。

 また、3区の太田蒼生(1年)は大学駅伝初出場。展開を考えれば、1区と2区に力のある選手を起用した駒澤大と東京国際大が3区を先行しても、自分のリズムで走ってつないでくれることを期待したのだろう。

 実際には駒澤大が先行し、東京国際大は日本人エース・丹所健(3年)が17秒差で追ってくる展開になった。丹所の1万mのベストは太田よりも13秒速く、出雲では初優勝の立役者になり、全日本6区では区間新記録を出している。

 そのことを考えれば"名前負け"してもおかしくなかったが、太田の走りは冷静だった。丹所のうしろにピッタリとついて彼を利用する走りをすると、18.3kmでスパートして1位で中継。区間賞は丹所に奪われたが、その強さを見せた冷静な走りはもちろん、それを見抜いた原監督の眼力がさすがだった。

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