箱根駅伝の予選会1位と2位で明暗。明治大は「チグハグ」、中央大は「100点」のレースだった (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Nikkan Sports/AFLO

【疑問が残った明治大の区間配置】

 一方の明治大は、区間配置がチグハグだったような印象を受けた。今回のオーダーと区間順位は以下の通りだ。

1区・手嶋杏丞(4年)区間13位
2区・鈴木聖人(4年)区間16位
3区・児玉真輝(2年)区間14位
4区・小澤大輝(3年)区間7位
5区・下條乃將(3年)区間18位
6区・杉本龍陽(3年)区間12位
7区・富田峻平(3年)区間2位
8区・櫛田佳希(3年)区間11位
9区・加藤大誠(3年)区間11位
10区・橋本大輝(4年)区間4位

 児玉真輝(2年)は前回の1区経験者(区間16位)で、手嶋杏丞(4年)は前々回3区を区間7位と好走している。児玉は11月23日の10000m記録挑戦競技会で全体トップを飾っており、1区と3区を逆にしたほうがスムーズだったかもしれない。

 そして2区と5区も非常にもったいなかった。過去2回は2区を加藤大誠(3年)が、5区を鈴木聖人(4年)が担当した。鈴木は前々回を区間5位と活躍して、前回は直前に故障がありながら区間9位でまとめている。エース鈴木が5区に入れば区間賞候補のひとりだったはずだ。

 しかし2区で不発に終わり、かわりに5区に入った下條乃將(3年)が区間18位と大苦戦した。一方の加藤は予選会でチームトップの快走を見せており、3年連続の2区に意欲的だった。

 結果論になってしまうが、1区・児玉、2区・加藤、3区・手嶋、4区・小澤大輝(3年)、5区・鈴木というオーダーで勝負していれば、往路で17位に沈むことはなかったのではないだろうか。
 
 とはいえ、2016年に藤原監督が就任した中央大も過去に同じような失敗をしてきた。それが前回は復路で3位に入り、今季の大躍進につなげている。2018年に山本佑樹駅伝監督が就任した明治大も今回の復路は3位だった。来季は明治大が加速する番になるかもしれない。

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