箱根駅伝の予選会1位と2位で明暗。明治大は「チグハグ」、中央大は「100点」のレースだった (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Nikkan Sports/AFLO

【中央大は監督も絶賛のレース】

「1区の吉居は区間トップで走ってくれましたし、2区の手島は4年生らしく粘り抜いてくれました。3区以降も想定どおりの走りでした。復路は6区の若林と8区の中澤をポイントにしていたんです。

 7区の居田は16㎞あたりでけっこう脚を叩いていたので、無理をさせずに、しっかりとつなぐことを優先しました。9区の湯浅は非常に調子がよかったですし、アンカーの井上も攻めの走りをしてくれました。往路・復路とも100点のレースです」(藤原正和監督)

 前回は1区で17位と大きく出遅れて、往路(19位)はまったく波に乗ることができなかった。しかし今回は1区の吉居で確実に先手を奪い、2区は耐えて、3区以降に再加速するというプランニングがピタリと決まった。

「攻める区間」と「負けてもいい区間」を明確に分けていた、とも言えるだろう。攻める区間は1、3、4、6、8区。負けてもいい区間は2区と10区だった。

 そして過去の経験を生かした区間配置もうまくハマった。前回3区で区間15位に沈んだ吉居は1年前から1区を予定していたという。2区には前回、裏の9区を区間7位と好走した手島が入り、3区は前々回も同じ区間を経験している三浦、6区は3年連続の若林を配置。その結果、全日本大学駅伝から2つ順位を上げて、10年ぶりのシード権を獲得した。

「それぞれが仕事をしてくれましたね。今年のチームは全日本大学駅伝でひとつ大きな自信を得て、この大会でまた結果を出せた。ようやく強化のサイクルと結果がリンクし始めたかなと感じています。来年はぜひ表彰台にチャレンジしたい。そして、第100回大会で優勝を目指せるようなチームにしていきたいと思っています」と藤原監督。"前進"を始めた中央大はワクワク感に満ちている。

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