2022.01.05

青学大の成功と駒澤大の失敗…。上位校監督の言葉で箱根駅伝を振り返る

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kishimoto Tsutomu

【順天堂大の復活】

 一方、順天堂大が15年ぶりのトップ3となる2位に復活したのは、総合力の高さの賜物とも言える結果だったが、往路の出足が足を引っ張ったのは惜しかった。長門俊介監督の当初の構想は、エースの野村優作(3年)の前回に次ぐ2区への起用だった。野村は前回の箱根で区間10位、出雲は区間16位と失速していたが、全日本では5区で区間2位と自信を取り戻したかに思えた。だが、12月に入っても調子が上がらず、その時点でよかった三浦龍司(2年)を、「2区のタフな条件に対応できる力はまだついていない」という状況ながら起用することにした。

 1区が18位と大きく遅れて、三浦も区間11位で17位にしか上げられなかったが、長門監督の「3区から再スタートというイメージだった」というとおりに、3区は区間3位、4区は区間2位でつないで7位まで上げると、5区の四釜峻佑(3年)が区間5位で5位まで上げた。ただ、四釜は「全日本のあとは思うように(調子が)上がらず、区間賞を狙えるまでの状態にはならなかった」と長門監督が言うなかでの結果だった。

 復路で2位まで上げたのは、4年生の力と長門監督の戦略だった。まずは、6区で当日変更された主将の牧瀬圭斗(4年)が区間賞獲得で3位に上げた。

「当初は7区に吉岡智輝(4年)で10区が西澤侑真(3年)の予定でしたが、早めに勝負しようと考えて変更した」という理由で西澤を7区に起用し、区間7位の走りで2位の駒澤大を1秒差まで追いつめた。そして8区の津田将希(4年)が、駒澤大の鈴木をうまく使って走り、中盤から突き放して単独2位を確保。9区と10区は二桁順位になったが、しっかり逃げきって2位を堅持し、来年への期待を膨らませた。

 また4位に入った東洋大は、4区で区間18位の12位まで順位を落として苦戦。本来なら4区はスーパールーキーの石田洸介(1年)を使いたかったが、それは「石田は20kmで勝負するという調子まで上がってこなかった。彼の場合は箱根を超えたレベルを目指している選手。ここで出し尽くさせるとそのあとのフォローも大変なので、あえて走らせなかった」という、酒井俊幸監督の覚悟の決断だった。

 今後を見れば、走ったメンバーが青学大は8名、駒澤大は9名残り、来年もまた2強を形成しそうだ。そこに「来年は今回5人走った3年が主になるが、彼らも今回の4年生のように圧倒的な力をつけてくれると思う」と長門監督が期待する順天堂大や、8名が残った上に石田も入ってくるであろう東洋大。さらには今回のメンバーが9名残り、主力のヴィンセントと丹所、1区の山谷昌也が4年になって充実する東京国際大がどう絡んでくるかが見どころになってきそうだ。

 終わったばかりながら、すでに次の箱根駅伝が楽しみだ。

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