2021.12.27

箱根駅伝で東洋大は主将・宮下とルーキー石田を中心に往路優勝を狙う布陣。総合では3位以内を目標にする

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO

【往路優勝で総合3位以上】

 チームのキーパーソンは宮下と、前回の箱根は2区で日本人1年歴代2位の1時間7分15秒で走った松山和希(2年)。宮下が8区、松山が7区を走った全日本ではふたりとも6~7割の状態だったが、12月中旬をすぎてだいぶ調子が戻ってきているという。

特に主将の宮下は「今シーズンの前半は練習をあまり積めなかったので、最後の箱根で有終の美を飾るためには練習するしかないと思いました」と、午前5時から始まる朝練の前の4時から練習を開始。その姿を見て朝早くから動き出す選手も増えてきたという。

 そんな東洋大の強みは、往路で2位になった前回も走った選手が4人残っていることだ。その利点を生かし、思い切った布陣で往路優勝を取りにいき、総合3位以上を目標にする。酒井監督は、今のチーム状況をこう話す。

「前回は起用する10人がすぐに決まったのですが、今年のチームの特徴は誰を起用するか、いい意味で迷っている状態。残り2週間で状態を見ながら、上がってくる選手を起用したいです」

 往路のオーダーを考えれば、前回1区で1位と24秒差ながら、3位集団にはひと桁の秒差で食らいついた児玉悠輔(3年)が、今回も1区だろう。出雲は1区7位ながら1位に8秒差と好走している。2区は状態の戻り具合の心配はあるが、松山しかいない。

 そこでうまく流れができれば、3区は、故障が癒えた今秋に出雲5区と全日本4区で区間賞を獲得している石田のスピードを生かす走りが期待できる。

 さらに、5区の宮下に気持ちよく走ってもらうためにも4区は重要になる。前回3区で区間8位の前田義弘(3年)が、「今年の夏合宿は3年間で最も多く距離を踏んだので、それで得たスタミナを武器にして走りたい」と自信を見せているだけに適任だ。

 そして5区の宮下については、酒井監督も「今のまま行けば、前回の区間3位よりは確実に走れる」と期待する。本人も「全日本のあとからは山登り対策も始めていて、コンディションも上がってきている。最低でも2年前に出した区間記録(1時間10分25秒)を更新して往路優勝をしたい」と意気込む。それを実現できれば、他校に対しても大きなアドバンテージを得られる。