箱根駅伝の優勝は? 有力校監督5人がトークバトルでキーになる選手、目標を語る (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by KYODO NEWS

 青学大の原監督も「16名を選ぶのに大変苦労しました」と語った。

「うちは1万mで上位10名のうち8名がエントリ―されています。今回、山内(健登・2年)と小原(響・2年)という選手がいるんですが、彼らはトラックの練習で落とした走りだったので16名から漏れました。強化合宿で目片(将大・3年)、鈴木(竜太朗・2年)は非常にいい練習をしていたんですけど、残念ながら外さないといけなかった」

 青学大の場合、正直、誰が走っても遜色ない走りを見せてくれそうだが、原監督が箱根駅伝のエントリーメンバーのなかで期待する選手として挙げたのが、近藤幸太郎(3年)だ。

「青山にはエースがいないと言われますが、近藤が全日本でほぼ同時にスタートした駒澤の田澤(廉・3年)君と最終的に20秒差でおさまった。今年1年でずいぶん成長したなと思いましたし、よりパワフルになってきましたね。岸本(大紀・3年)は、多少、足に痛いところが出ているので、3週間のなかで仕上げていきたいと思います」

 これから本番までの3週間の調整期間は選手のコンディションとピーキングに細心の注意を払って練習を継続していくわけだが、原監督は、ライバル校について、こう語る。

「前回の創価大はまぐれだったなぁと思っていたんですけど、春からえらい力をつけてきたので、マークしないといけない大学になりました。東洋さんは箱根駅伝には滅法強いですし、5区の宮下君の存在が非常に大きい。駒澤の田澤君は、日本で最高のランナーだと思いますので、非常に怖い存在ですね。あと鈴木芽吹君がどれだけ上がってくるのかで、総合優勝が決まるかなと思います。いずれにしても今回の箱根は混戦だと思います」

 混戦──今年の大学駅伝を語る上でのキーワードになっている。出雲は東京国際大が3区から独走したが、全日本大学駅伝は各区間で先頭が入れ替わる激烈な駅伝になった。箱根の前哨戦ともいえる全日本であれだけの混戦となっているので、必然的に箱根も往路を含め、激しいたたき合いになりそうだ。

 その上で、東洋大の酒井監督は、今回の箱根駅伝では「往路優勝、復路『?』 総合3位」という目標を掲げた。

「往路は、前回大会の4人の経験者(児玉悠輔、松山和希、前田義弘、宮下隼人)が残っていますし、昨年も2位になっているので、さらに上を狙っていきたいですね。復路は、その流れのなかで3位になっているので、今回も狙っていきます。ポイントは山ですね。出雲や全日本にはない要素ですので、5区6区はすごく大きなポイントだと思います」

 出雲3位、全日本は10位と沈んだ東洋大だが、箱根でどのくらい巻き返せるのか。

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