2021.12.12

箱根駅伝4区で途中棄権の翌年から劇的な2連覇。神奈川大・大後監督が語る、強いチームに必要なこと

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 産経新聞社

【2022年箱根駅伝の展望】

 確かに3年生は山崎以外、予選会や記録会でも名前が目立たない。それでもチーム全体としては、シード権を十分狙える陣容になっている。今年の箱根予選会は5位で通過し、昨年の箱根駅伝、経験者が8名残っている。主将の西方大珠(4年)、落合葵斗(4年)ら4年生と予選会で63分23秒をマークして部内トップになった巻田理空(2年)ら2年生が軸になっている。

「今回の箱根駅伝は、4年生の西方、落合、横澤(清己)、安田(響)、そこに副キャプテンの川口(慧)が使えるかなという状況になっています。(故障中の)呑村(大樹・4年)については無理はさせません。あとは、2年生の巻田、宇津野(篤)とか、ですね。3年生は、山崎が予選会でいい走りをしたので、力を発揮してくれると思います」

 近年の箱根駅伝は、選手の持ちタイムが飛躍的に上がり、高速化が著しい。今年の大学駅伝も、出雲駅伝は東京国際大が独走したが、全日本大学駅伝は駒澤大が優勝したものの、各区間でトップが入れ替わる激しい駅伝になった。箱根駅伝は、どのチームが優勝を争うと考えているのだろうか。

「主力組の選手が戻ってくるということで考えると、今回の箱根は混沌としたレースになると思います。そのなかで優勝候補はどこかと言われると、やはり安定感のある駒澤、青学、早稲田でしょう。前半は東京国際大がリードすると思いますが、最終的には、この上位3校に加え、明大も往路でミスがなければ3校のなかに入り込んでくるのかなと思います」

 優勝争いを展開する上位校、シード権を狙うチームがあるなか、大後監督はどこを目標に、どう戦うつもりだろうか。

「展開で言うと、1区、2区、3区と前半で流れを掴んでいかないといけないですし、そこで遅れてしまうとその段階でシードから漏れてしまう。序盤で、ひとケタ(の順位)に絡んでいけるかどうかが重要ですね。最近の箱根はひとケタの順位で最後までレースができていないんですよ。今年も6区で6位に上がりましたが、その後の区間で遅れてしまって対応できなかった。区間賞はいいので、全員でひとケタ順位を目指していけば順位がキープできる。シード権の獲得が目標なので、そのためにはひとケタ順位のところでレースができるように最終調整をしていきたいと思っています」

 高速化のレースゆえに最初に出遅れると取り返しがつかなくなる。その後に、イェゴン・ヴィンセント(東京国際大3年)や田澤廉(駒澤大3年)のようなゲームチェンジャーがいれば、盛り返すことも可能になるが、大砲不在の神大は序盤の遅れが致命傷になる。また、全区間ひとケタ順位を維持するには、レースで100%の力を発揮することが肝心だ。神大は、風邪や感染症対策に万全を期し、選手を復路、往路に分けて練習を継続、細心の注意を払ってコンディション調整を続けている。それは結果を残し、箱根駅伝に出続けるためだ。

「箱根は出続けることが大事。それを成さないとチャンスが巡ってきた時に掴めない。優勝するチャンス、上位進出のためには出続けないといけないので、私は日本一諦めの悪い監督でいいかなって思います(笑)」

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