記録更新連発で3000m障害に現れたヒーロー。三浦龍司は自身も驚く成長に「マイナー競技でも自分に合っている」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by MATSUO.K/AFLO SPORT

 高校時代は洛南高校のエースとして全国高校駅伝では2年、3年と1区を走った。また3年のインターハイでは3000m障害の2位だけでなく、1500mも6位。記録会で5000mは13分51秒97を出し日本人高校ランキング2位にもなった。これだけ結果を残しても、3000m障害を続けたいという思いは変わらなかった。

「応援してくれる人たちに喜んでもらえるのはうれしいけれど、他人の評価というより好きな種目で記録を出すことが自分にとって、達成感を感じるというか、いろんな成長を感じられるんです。3000mという短い距離の中で障害や水濠を越えていくので、独特なレース展開もあるし、イレギュラーなものも多くてケガなどのリスクも高いです。それでも、見ていて面白いし、やっている側も楽しいんです」

 3000mを走る中で障害を28回、水濠を7回越えなければいけないこの種目は、瞬発力も必要で、ほかの長距離種目のように同じペースで淡々と走ることはできない。そんな種目だからこそ、自分の身体が競技を楽しんでいるように感じると三浦は言う。

「バネというか、脚力は他の人よりあるなと思っているので、そこを生かしながら走ったり、スタミナだけではないところも見せられたり......。走るだけだとキツいけど、変化があると面白いですよね。だから楽しくできている実感があるし、もっと記録を伸ばしていきたいという前向きな気持ちも生まれています」

 三浦の世代の各大学の長距離選手たちは、駅伝などでも1年の時から強さを見せている。シューズが改良されて、レース後半の疲労度も軽減されたことで、前半から思い切って突っ込むレースができるようになったことも一因だろう。

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