「最強の2年」を擁する駒大が箱根連覇、駅伝3冠へ。主将・田澤廉が考える課題とは?

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 長田洋平/アフロスポーツ

 唐澤がいう「みんな」とは、主に同期の2年生を指す。唐澤を始め、鈴木、さらに花尾恭輔、白鳥哲汰、青柿響、赤津勇進、安原太陽と駒大の2年生は力のあるランナーが目白押しで「最強」と言われている。花尾は、関東インカレのハーフマラソンで62分で2位になり、赤津は網走の5000mで13分52秒13と自己ベストを更新した。昨年は鈴木が同級生で一人勝ちしていたが、今年は関東インカレ5000mで唐澤が鈴木に競り勝つなど、高いレベルで競い合っている。「仲間として心強いし、競い合う環境は自分たちにとって最高です」と唐澤は、自分たちの世代に手応えを感じている。

「僕らの代は、強いと周囲から言われているので、自分も負けないようにと思いますし、みんなも意識していると思います。1年目、同期は3名、箱根駅伝を走って、僕は走らずに優勝したので来年は自分が走って優勝するのが目標です。昨年は下りが向いているということで6区が希望でしたが、今年は力がついてきたので平地区間の3区か4区を走れればと思っています」

 唐澤は箱根の往路で十分走れるだけの力がついてきており、来年の箱根はもしかすると2年生が主役になるかもしれない。それくらい平均値が高く、2年生の力がついてきたことでチーム内に大きな変化が起きている。関東インカレが終わった後、鈴木は「チームの基準が上った」と語った。

「今年は、Bチームが昨年のAチームぐらいのタイムで練習しています。自分はAチームや田澤さんと一緒に練習をしているんですけど、本当にレベルが高くて、最近はポイント練習でも余裕がなくて。チームのレベルが上がっているのは間違いないですね」

 3月に卒業した選手は力のある選手が多かったが、箱根駅伝に4年生で出場したのは小林歩だけだった。多くの箱根経験者を保持し、今シーズン、2年生の主力組の唐澤も鈴木や田澤とともに練習している。Aチーム、Bチームともに練習の質が上がったことでチームレベルがかなり上がり、選手層が厚くなったことを唐澤は実感している。

 だが、主将である田澤の見方はちょっと厳しい。

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