「最強の2年」を擁する駒大が箱根連覇、駅伝3冠へ。主将・田澤廉が考える課題とは? (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 長田洋平/アフロスポーツ

 唐澤は、13分47秒12の14位に終わった。

「網走大会で20秒台に乗せらなかったので、今回の千歳大会では20秒台で芽吹を越えるタイムを出そうと思ったんです。でも、3000mぐらいからキツくなってしまい、そこからついていくだけで精一杯でした。後半の2000mは粘れず、ベストも出ず、タイムも47秒台だったので自分の中ではいいレースではなかったです」

 唐澤は、悔しそうな表情を浮かべた。

 千歳大会では同期の鈴木に並ぶ20秒台を出せなかったが、トラックシーズンの活躍は見事だった。関東インカレの5000mでは13分53秒11で3位(日本人トップ)、10000mでも28分05秒76で3位(日本人トップ)に入り、ひとり気を吐いた。7月には網走の5000mで自己ベストを更新し、力があることを証明、充実したトラックシーズンを過ごした。

「最後、しっかりと20秒台で終わらせたかったんですけど、トータルでいうと今年のトラックシーズンは1年目よりも成長できたと思います。レースでも記録会でも日本人に勝つという意識でレースに臨んできましたし、それは昨年よりも出来ています。でも、一番、良くなったのはスタミナですね。1年の時はスタミナがなくて得意のラストスパートが効かなかったんですけど、2年目の今年はスタミナがついて、レースの展開に余裕が出て、しっかりとラストスパートを上げられるようになりました」

 スタミナをつけるために、唐澤はシーズン前からかなりの距離を踏んでいた。80分ジョグで17キロ前後を走り、3月は月間900キロに及んだ。4月、5月はレースが増えたので調整もあり、少し減ったが6月、7月はまた月間900キロを越えた。合宿期間であれば900キロから1000キロを走る選手はいるが、平時に900キロを越える選手はなかなかいない。

「そのおかげで、力はついてきたと思います。みんなに負けられないんで」

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