箱根駅伝シード校の戦力をチェック。王者の強さが際立つ今季の勢力図 (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 5000mでは今季13分31秒52をマークしている千明龍之佑(ちぎら・りゅうのすけ:4年)が三浦とラスト勝負を演じて3位(13分49秒32)。3000m障害は1500m2位の菖蒲敦司(しょうぶ・あつし:2年)が優勝して、諸冨湧(もろとみ・わく:1年)が7位、北村光(2年)が8位に入り、トリプル入賞を決めた。「駅伝3冠」を掲げるチームだけに充実戦力をアピールした形だ。

 箱根4位だった青山学院大(2部)も総合力は高い。ハーフマラソンでは西久保遼(3年)が0秒差で駒大の花尾とのラスト勝負を制し、高橋勇輝(4年)が10位、横田俊吾(3年)が11位と、随所で駒大勢と競り合った。

 10000mは近藤幸太郎 (3年)が28分12秒49の好タイムで6位、佐藤一世(2年)が自己ベストの28分50秒56で13位。5000mには太田蒼生(10位)、若林宏樹(12位)、鶴川正也(16位)の1年生トリオを出場させて経験を積ませた。また、1年時に箱根2区を好走した岸本大紀(3年)が、今季は5000mを13分台で走るなど復調。やはりチームの目標は「駅伝3冠」だが、駅伝シーズンに向けて戦力が整いそうな予感が漂っている。

 箱根9位の國學院大(2部)は、10000mでエース藤木宏太(4年)が自己ベストの28分10秒30で5位に食い込むと、前回の箱根駅伝を欠場した中西唯翔 (3年)がハーフマラソンで8位に入っている。他にも、中西唯翔の双子の弟で10000m28分17秒84の中西大翔(3年)、同28分27秒台の木付琳(きつき・りん)と島﨑慎愛(共に4年)、同28分38秒88の平林清澄(1年)という強力メンバーが揃っており、2019年シーズンのような快進撃が期待される。

 2年連続でシード権を獲得した箱根10位の東京国際大(2部)は、箱根駅伝2区と3区の区間記録保持者であるイェゴン・ヴィンセント(3年)がトラックでも圧倒的な強さを見せた。10000mは大会新&自己新となる27分30秒24。5000mは強風の中を独走して13分42秒54で圧勝した。日本人では丹所健(3年)が10000mで自己ベストの28分35秒60で10位に入っているが、絶対エース以外の戦力をどれだけ充実させられるかが、3年連続シード権獲得へのカギになる。

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