才色兼備のハードラー田中佑美は自分の殻を破る「パリ五輪を見据えて」 (2ページ目)

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――富士通陸上競技部に入った時の抱負で、「大会での順位や記録を設定するのは、以前から苦手」とおっしゃっています。裏を返せば、それが弱点の一つということなのでしょうか。

 良くも悪くも弱点だなと思っています。順位・記録、周りの評価以外に陸上競技に取り組む理由があるのは自分のいいところだと思っています。ただ順位や記録をあまり掲げないのは、自分に対するプレッシャーが少なくなり弱点にもなります。これからは、社会人アスリートとしてそこにこだわっていくのも、義務の一つだと思っています。

――自らの殻を破りたいということですね。そもそもなぜ100mハードルをやろうと思ったのでしょうか。

 私が通った中学校は基本的に部活動に入る生徒がほとんどで、一度バスケットボール部の見学に行きましたが、雰囲気になじめず、「これは無理だな」と思って別の友達に誘われて陸上部に見学に行ったんですね。陸上部は週に2日、練習がお休みで、当時はまだクラシックバレエをやっていたので、それならばバレエと両立できるんじゃないかと思い、陸上部に入りました。

 本当は走高跳びをしたかったのですが、顧問の先生に「バレエをしているであれば、体が柔らかいのでハードルにしなさい」と言われて始めました。

自己ベスト13秒18(日本歴代11位、学生歴代2位)の記録を持つ  ©FUJITSU SPORTS自己ベスト13秒18(日本歴代11位、学生歴代2位)の記録を持つ  ©FUJITSU SPORTSこの記事に関連する写真を見る

――ハードルが速い選手は短距離も速いと言われますが、100mへの転向はなかったんですか。

 大会に出場できる枠が空いてなかったんです(笑)。部員数が多かったので、大会に出場できる人数が限られていて、私が「100mも出たいです」なんて言ったら、もう調整がたいへんで、中学時代にハードルしか出場できなかったというのが、主な理由ですかね。

――今、重点的に力を入れているのはハードリングとインターバルのどちらになりますか。

 日本選手権やゴールデングランプリなどでは、ハードリングタイムとインターバルタイムを発表してくれますが、周りの選手に比べて私一人だけ外れ値で、ハードリングタイムが短く、インターバルタイムがすごく長いんです。ハードリングタイムが短いからインターバルタイムが長くなるという関係性はもちろんありますが、足を速くしなくてはと思ってます。

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